3.11 被災地慰霊行脚

2015年3月11日

平成27年3月11日、宮城県石巻市にある大川地区にて宮城県曹洞宗青年会主催、全国曹洞宗青年会共催、東日本大震災慰霊行事『3・11慰霊行脚』が行われました。震災発災から五年目となった被災地には全国各地より多くの僧侶が集結し、四国からは高木一晃師と共に参加させていただきました。大津波に襲われ莫大な被害にあった沿岸部を中心に、被災された方々の慰霊とご遺族の方々の安心を目的に修行され、始めに海蔵庵本院にて出立諷経を行いました。諷経を終え一同行列を作り、辺り一面強風が吹き荒れ、立っているのもままならない程の極寒の中、慰霊行脚が始まりました。様々な場所で慰霊を行っていく中で、海岸では『亡き人への手紙』を供養し、お焚き上げを行いました。そんな中、地元の方が『あの時と同じ寒さだ』と呟き、私はこの言葉を聞き、胸が締め付けられるような想いでした。穏やかに流れているこの海が、まさかあのような大津波へと変貌するとは。この寒さと水の冷たさは深く私の心に突き刺さりました。その後訪れた大川小学校では、大津波に飲み込まれた校舎がそのままの状態で残されており、多くのご遺族の方々がお参りにお越しになっておられました。校舎内には多数の供花と供物が置かれ、午後二時四十六分、『黙祷』という発声と共に大きなサイレンが鳴り響く中、我々は静かに祈りを捧げました。黙祷が終わり、慰霊供養へと移り、多くのご遺族が手を合わせ見つめる中、一生懸命読経し、供養させていただきました。読経中、亡くなられた子ども達の事を想うと、溢れ出る涙が止まりませんでした。法要後、遺族会の方々からいただいたお言葉の中に、『我々の心の復興は止まったままである。しかし立ち止まっていてはならない。皆で手を取り合い、前を向いて進んで行く』との強い決意のお言葉が今も耳に残っております。この度の慰霊供養では昨年に引き続き、目で見て肌で感じ、多くの事を学ばせていただきました。今後も被災地での活動、そして毎年行っております四国での『こども自然ふれあい広場』を通しまして、微力ではありますが支援活動に精一杯精進して参りたいと思います。

詳細につきましては、全国曹洞宗青年会公式HP『般若』に掲載しております。

以上

H27年度慰霊行脚