ご挨拶
この度四国地区曹洞宗青年会十八期会長を拝命することになり、ここに謹んでご挨拶を申し上げます。
四国管内御寺院様におかれましては、日頃より青年会活動に対しましてご理解ご協力を賜り心よく厚く御礼申し上げます。
当会は、今まで青年会として活動なされた諸先輩方をはじめ、たくさんの方々のお力添えにより護持・発展して参りました。四国という広いようで狭く、狭いようで広いこの活動範囲を生かし、四県の若い青年僧の力で古きを大切に新しいモノを生み出すべく精進しております。
こども自然ふれあい広場について
現在私達は、四国管内の御寺院様、各企業の方々のご協力の中『こども自然ふれあい広場』を行っております。私がこの活動に対して強い思いがある一つの出来事として脳裏に離れない光景があります。震災の年、私は福島県にある全国曹洞宗青年会の支援部へよく行くことがありました。その道中、周りは田畑で幼稚園バスを待つおばあちゃんと四歳ぐらいのお孫さんを見かけました。本来田舎によくある何気ないほのぼのとした光景のはずなのに、何か違和感がありました。お孫さんの首には放射線を測る機器が掛けられ、そこには笑顔が無かったのです。地震の被害はあまり無い地域なのに、見えない害によって数十年先の事が不安である表情がおばあちゃんにはありました。その光景を見た時、これから未来のあるお孫さんには笑顔でいてほしい、キャンプで遊んだ思い出をおばあちゃんと共に笑顔で話してほしいという思いでこの活動を行っております。
会員の中にもそれぞれ被災地に対する熱い気持ちあると思いますが、これからも何が大事なのか、何が必要なのかを考えていきたいと思います。
ボランティア活動について
今期はボランティアの活動組織をしっかりとしていきたいと思います。四国では南海トラフ地震の心配が叫ばれています。災害の大規模小規模関係なく発災時、どのような事が出来るか会員同士の情報収集、どのような支援活動が必要なのかを考え即座に行動を起こせるようにしていきたいと思います。そして四国内の御寺院様、檀信徒の皆様のサポートになれるよう災害についてしっかりと考え、勉強していきたいと思います。又、災害支援以外のボランティア活動も視野に入れ、僧侶として各地域でどのような事が出来、必要とされているかを考えていきたいと思います。
青年会について
私が青年会に入って何が良かったかと申しますと、同じ悩みを持っている人と出会えたという事です。働きながら自坊の手伝いをしていた私にとってお寺の行事について相談できる者がいませんでした。(当時は青年会という会がある事さえ知りませんでした。)しかし青年会に誘って頂き、同じ境遇の方がいることを知り心強く感じました事を思い出します。そのような同世代の仲間との繋がりが出来ることが青年会の良い所だと感じております。
現在、徳島7名高知4名香川1名愛媛33名計45名の会員で活動をしております。
会員には、住職、副住職として頑張っている者、また働きながら自坊をサポートしている者など、いろいろな立場の人達が集まって活動しております。しかしこれから新入会員が入ってこなければ十年後には現在の半数になってしまいます。その事を考えますと会員同士の新入会員の勧誘はもちろんのこと、御寺院様方にも近くに若者が居りましたら、青年会どうだ?とお声掛けして頂ければと思います。そしてこれから青年会を荷っていく人達に少人数になろうとも活動しやすい環境を整えていく事も必要ではないかと考えております。
最後になりますが、四国地区曹洞宗青年会はひとりひとりの僧侶としての向上と、檀信徒の皆様をはじめ全国の青年会との親交、他宗派青年会との交流を深め、より一層の相互の理解や社会の安心が広がりますよう会員一同努めてまいりますので、皆様のご協力とご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
四国地区曹洞宗青年会 会長 里野和敬
以上